企業研究者の年金事情: 確定拠出年金編
もふろう(id:dr-mofumofu)です。
前回、国民年金と学生自体に猶予されていた支払いを社会人になってから追納していることを書きました。
こちらのページでは社会人になってからの確定拠出年金事情についてまとめたいと思います。企業での確定拠出年金はiDeCoなど個人型を利用されている方も多いですし、制度が変更になることもあるので、あくまでも当時、そして執筆時での情報になります。変更があれば随時更新します。
確定拠出年金について簡単に振り返る
このブログで情報をまとめても仕方がないので形式的な情報は他のサイトに譲ります。ここでは確定拠出年金について簡単な考え方だけを先に説明します。
- 老後の生活に備えて年金制度がある。
- 一般のサラリーマンの年金は3階建て構造になっていて、国民年金 (1階)、厚生年金 (2階)、企業年金 (3階) の3種類がある。
- 企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型)は企業や個人が掛け金を払い、将来に備えて運用するタイプの年金である。
把握していないといけない情報としては、これぐらいです。細かな条件や金額は会社の入社時教育や、パンフレット、もしくは投資本などを見てもらうと分かります。
企業型確定拠出年金の例(もふろうの事例)
次にもふろうの場合の確定拠出年金と企業年金情報について振り返ろうと思います。
状況と上限、見積もり
もふろうが現在所属している会社では、企業年金の一部が確定拠出年金になっています(この表現が一般的に正しいかは不明)。つまり退職金として一括でもらえる分と、確定拠出年金を続けた結果老後にもらえるお金の両方があるタイプの制度です(退職金についてはまた別途記述します)。
以上のことから、制度上の上限は月額 27,500円 となります。
仮に 27,500円 を30歳から60歳まで30年間元本保証の商品で積み立てることを考えると、27,500円×12ヶ月×30年 = 9,900,000円 となり、約1000万円が積立による分の年金になると想定されます(制度がぶっ壊れない場合)。
社員グレードの罠
残念ながらもふろうのケースでは上の計算は嘘です。
理由としては、確定拠出年金は「企業が掛金を毎月積み立てし(これを拠出と言います)、従業員が運用を行う制度」になっており、企業の積み立て額が制度上の上限とは限らないからです。
もふろうの会社には社員のグレード評価があります(概ね年功序列の数値と思って頂いて良いです)。例えば修士卒の場合だと
- 1~3年目 グレード1
- 4~6年目 グレード2
- 7~9年目 グレード3
といった形で、グレードに対して基本給やボーナスが影響を受ける形になります。実はもふろうの会社の確定拠出年金の拠出金額は、グレードによって決まります。例えば
- グレード1 月1500円
- グレード2 月3000円
- グレード3 月6000円
- グレード4 月15,000円
という形です(数値とグレードは適当です)。
マッチング拠出制度
これまで説明したように、会社の拠出金額は会社が設定するため、会社の制度そのままでは いや私はもう少し積み立てしてほしいんだよね といった個人の要望に柔軟に応えることができません。
これに対処するために導入されている仕組みが マッチング拠出 です。これは企業の掛け金だけではなく、従業員がお金を払う(例えば給料から天引する)ことで、掛け金を追加できる仕組みです。
マッチング拠出を採用しているかどうかは会社に依存しますが、マッチング拠出が使える場合でも
- 従業員のマッチング拠出による金額は、会社の掛け金を超えない
- 合計額が制度上の限度額を超えない
という2つの条件があります。
もふろうの確定拠出年金の実績
制度の罠や救済策を確認したところで、以下ではもふろうの確定拠出年金の実績について振り返りをしようと思います。確定拠出年金の運用状況は当時は紙で、今はPDFで確認できるようになっているため、そこから確認したものです(2022年5月現在)。
月 | 拠出額 | マッチング 拠出額 |
積み立て 金額 |
評価額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1年目10月 (5ヶ月) |
1500/月 × 5 | ※未採用 | 7,500円 | 7,517円 | 5月より |
2年目4月 (11ヶ月) |
1500/月 × 6 | ※未採用 | 16,500円 | 17,240円 | |
2年目10月 (17ヶ月) |
1500/月 × 6 | ※未採用 | 25,500円 | 27,527円 | |
3年目4月 (23ヶ月) |
1500/月×5 3000/月 × 1 |
※未採用 | 36,000円 | 38,164円 | 昇級 |
3年目10月 (29ヶ月) |
3000/月×6 | ※未採用 | 54,000円 | 58,316円 | |
4年目4月 (35ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 90,000円 | 92,691円 | |
4年目10月 (41ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 126,000円 | 130,231円 | |
5年目4月 (47ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 162,000円 | 155,774円 | コロナ |
5年目10月 (53ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 198,000円 | 207,340円 | |
6年目4月 (59ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 234,000円 | 263,249円 | |
6年目10月 (65ヶ月) |
3000/月×6 | 3000/月×6 | 270,000円 | 317,931円 | |
7年目4月 (71ヶ月) |
3000/月×3 7500/月×3 |
3000/月×4 7500/月×2 |
319,500円 | 375,523円 | 昇給※1 |
- ※1: 昇給で拠出額が変更した1ヶ月後に、マッチング拠出額も増額 (3000円→7500円)
まとめ
いかがでしたでしょうか。企業型確定拠出年金のリアルな数値となります。今後、2022年6月には確定拠出年金の制度改正が控えています。また2022年10月から、企業型確定拠出年金加入者のiDeCo加入要件が緩和される予定ですね。制度はどのようになっていくでしょうか?また会社がそれらの変更に追従するのはいつになるでしょうか?
まだまだ分からないことも多いですが、積み立ての記録として参考になれば幸いです。